テント村通信アーカイブ



11月はめじろ押し
―右翼・防災・オスプレイ―(2013年11月号)




 10月15日、第185回臨時国会が始まった。衆院選に続き、参院選でも大勝した安倍政権。今国会は、「国旗国歌法」「住民基本台帳法」「盗聴法」などを決めた99年の145国会に匹敵する最悪の国会になることが予想される。一つでも多くの悪法を葬るために、力を合わせたい。


自衛隊員を圧殺する秘密保護法


 安倍政権の「軍事国家化三本の矢」が、「集団的自衛権の行使」容認、「日本版NSC(国家安全保障会議)設立」、そして「秘密保護法案」だ。

 とりわけ「秘密保護法」は、軍事機密の秘密化を一層進め、米国並みの情報管理社会を目指そうというもの。反戦運動にとっても、そして自衛官にとっても、間違いなくターニングポイントとなる法律だ。

 秘密保護法案によれば、政府が指定した「特定機密」を漏らした公務員らへは、最高で10年の懲役が課される。対象公務員は6万人を超えるというから、将校以外の自衛官にも対象は広がるだろう。 

 機密の維持方法にも問題が多すぎる。何が機密なのかの項目も明らかにされない。米国ですら最長25年と定めている「機密解除」の期限がなく、政府が承認すれば永遠に機密のままになってしまう。

 自民党の役員は、沖縄密約を暴いて逮捕・起訴されたいわゆる「西山事件」は、同法の対象となりうるという発言をすでにしている。

 萎縮効果は広がっていく。自衛隊兵士には、これまで以上に隊内の情報に関する締め付けが増すのは間違いない。

 米国では、対テロ戦争の無人機での作戦の非人道性をウィキリークスに暴露した元兵士が、懲役35年という判決を受けている。

 集団的自衛権の行使や「積極平和主義」によって、海外での活動が増える自衛官にも大きな圧力を与えるだろう。海外での戦闘に自衛官が参加したとき、戦場の実態を証言することは極めて困難になる。

 アジア・太平洋戦争では、兵士の手記や従軍記録の多くが検閲・改ざんされ、戦場の真実は本国の人々には知らされなかった。その上に、あのどうしようもない侵略戦争が成り立っていたことを想起しないわけにはいかない。

 反戦運動の立場からも、秘密保護法案反対の声を大きくしていこう。


11/23 都防災訓練 反対集会、11/24 横田デモへ


 10月25日から、高知県などで予定されていた自衛隊と米軍の共同防災訓練は台風の影響で中止となった。

 共同訓練では、米軍オスプレイの投入も予定されていた。しかしオスプレイは、ローターが巨大なため広大な着陸面積を必要とし、排気温度は約三〇〇度といわれている。災害救助に適した機体とは到底言えず、オスプレイ訓練の全国化への布石であることは間違いない。

 11月23日には、東京都総合防災訓練があきるの市で行われる。残り1ヶ月を切ったのに、参加機関や規模も明らかにされない密室訓練だ。

 今年も自衛隊・米軍の参加が予想される。実行委による反対行動にご参加を。

 翌11月24日は、横田でのオスプレイ反対集会とデモ。7月に米太平洋空軍司令官が、「横田は空軍オスプレイ配備の有力候補地」と述べている。

 この秋には、三多摩11の市町議会が横田配備反対の意見書を提出した。私たちも、オスプレイ反対・横田基地無くせの声を福生で響かせよう。


今年も航空祭に右翼が登場予定


 11月10日には、今年も立川基地の「防災航空祭」が行われる。市民に自衛隊への支持を広げることを狙い、ヘリの体験搭乗や、子供に兵器を触らせることが行われている。

 テント村では毎年参加者へのビラまきと基地申入れを行ってきたが、昨年ははじめて右翼が登場し、ビラまきを妨害された。今年も、「新日の丸友の会」なる団体が「極左集団に怒りのカウンター」を呼びかけている。

 毎年参加者が少なくアウェー感が強いため緊張するビラまきであるが、右翼も来てしまうと到底私たちだけの手には負えない。テント村が粉砕されないように、どうか皆さんご参集を!



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