この10月で、オスプレイが普天間基地に配備されて1年が経つ。9月25日には、最後の1機が配備され、8月から始まった追加配備が完了した。24機態勢になり、今後のさらなる訓練激化、被害の拡大が懸念される。
この間にも、オスプレイの事故は相次いでいる。6月にノースカロライナ州で機体が炎上。8月にはネバダ州で着陸に失敗し、炎上する事故が起きた。そして9月20日にも、米アリゾナ州の地元紙などによると、同州にある民間のコットンウッド空港に緊急着陸した。同紙は火災警報が作動したとしている(9月25日、琉球新報)。
6月の機体炎上の際、米軍は「機体の1部が焦げた」と公表。8月の事故の際には「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」と説明していた。しかし、後に米海軍安全センターは、2つの事故を最も深刻な「Aクラス」に分類した。米軍は詳細な状況を公表しておらず、原因究明がなされないまま、今回の緊急着陸が発生した形だと指摘されている。
米軍は、「Aクラス」事故の少なさを理由にオスプレイの安全性を強調してきたが、それが覆されたことになる。
しかし、日本政府は、オスプレイは安全だと言い続け、「沖縄の負担軽減」を理由に本土での訓練移転を推し進めようとしている。
7月に発表された饗庭野(滋賀県)での初のオスプレイを使った国内での日米合同実働演習の日程が、9月24日、公表された。10月7〜18日に実施され、オスプレイは16日に1、2機が参加する予定。敵陣地の攻撃を想定し、陸自隊員が搭乗して降下訓練などを行う。日本側から陸自の約150人、米側から在沖海兵隊約180人が参加するという(9月25日産経新聞)。
一方、9月17日、在沖米軍トップのジョン・ウィスラー4軍調整官が、着任あいさつで仲井真知事を訪問した際、「(オスプレイは)尖閣諸島にも到達できる。必要があれば日米安保条約に基づき尖閣への派遣も可能だ」と発言した(9月18日、沖縄タイムス)。
これまで米本土で繰り返されてきたオスプレイを使った離島奪還訓練だが、日本政府は尖閣諸島が対象とは明言を避けてきた。奇しくも米軍の口からそれが漏れてしまった訳だが、単なるリップサービスでしかない。日本と中国の過度な対立に巻き込まれたくない米国にとって、米軍の尖閣派遣など実際にはありえない。今後の自衛隊への売り込みを狙って、オスプレイの機能を強調したかったのだろう。そもそも尖閣を出せば、オスプレイに対する沖縄の反発が弱まると考える米軍の考えが浅はかだ。
さらに、南海トラフ地震を想定した、オスプレイを投入しての日米合同防災訓練の場所が明らかになった。9月6日、高知県香南市にある高知駐屯地を中心に行われることが報道された。時期は10月下旬ということしか分かっていない。訓練には、海上自衛隊の護衛艦も投入して、海上捜索や救難者の搬送、孤立地域への物資の輸送訓練などが行われる。「米軍・自衛隊参加の防災訓練に反対する実行委員会2013」では、10月7日に防衛省抗議申し入れを、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の申し入れの場をかりて行う。
7月末には、米太平洋空軍の司令官が、空軍型のオスプレイの配備先として横田基地をあげた。その後の続報はないが、テント村も参加する「横田行動実行委員会」ではこれに反対して、101月24日午後に福生市・さくら会館にて半田滋さん(東京新聞)を講師に集会を行う予定だ。10月になり、秋も深まってきた。27日には砂川秋まつりもあり忙しいが、ともに危険なオスプレイに反対しよう!