テント村通信アーカイブ



オスプレイ、原発、自衛隊
どれもいりません!(2012年9月号掲載)




 在日米軍基地へのオスプレイ配備に反対する声が、全国で高まっている。しかしこうした声にも関わらず、沖縄県東村高江では米軍のヘリパッド(オスプレイ離着陸帯)建設工事が、連日強行されている。

 森本防衛相は、民家上空での低空飛行を避けられれば、北部訓練場で訓練するのは問題ないという趣旨の発言をしている。しかしヘリパッドの建設予定地は北部訓練場しかない山奥ではなく、至近距離に民家や集落が点在している地域である。しかも単なる低空飛行だけではなく、地表すれすれを飛行する「地形飛行訓練」を米軍は想定している。米国本土では住民からの苦情で訓練を中止している米軍だが、他国民には人権などないと言わんばかりである。こんな米軍の1体どこが「トモダチ」なのだろうか。

 8月5日には、東京、京都、岩国などでオスプレイ配備に反対する集会やデモが行われた。当初はこの日に沖縄で県民大会が予定されていたが、県民大会は台風のため9月9日に延期になった。東京でも改めて、国会包囲行動がよびかけられている。9月9日には「オスプレイの受け入れを撤回しろ」「米軍はオスプレイを持って帰れ」の声で国会周辺を埋め尽くそう。


原子力規制委員の人事をやり直せ!


 原子力規制委員会の人事が批判を浴びている。規制委員会は独立性を高めるためという名目で、5年間は総理大臣でさえ辞めせることができず、原子炉事業者の従業員も就任することはできないと法に明記されている。しかし委員に指名された面々を見ると、酷いとしか言いようがない。

 委員長の田中俊1氏は07年から内閣府原子力委員会の委員長代理を常勤しており、福島第1原発の事故後は福島県の除染アドバイザーとして「安全です」発言を繰り返すとともに、賠償にも反対した人物だ。さらに委員の更田豊志氏は「日本原子力研究開発機構 安全研究センター 副センター長」というバリバリの原子炉事業所員、中村佳代子氏は「日本アイソトープ協会 医療連携室長」として、被曝限度量の引き上げに与した。見事に原子力ムラの人々が揃っているこの人事で、政財界からの介入を防いで原子力を規制するなど不可能である。

 大飯原発の次は、愛媛の伊方原発や北海道の泊原発の再稼動が狙われている。原子力規制委員の人事を撤回させ、大飯原発の停止と泊原発の再稼動阻止を勝ち取ろう。


防災訓練反対! ―軍隊は市民を助けない


 9月といえば、防災訓練の季節である。昨年の震災以来、自衛隊の好感度はかつてなく上昇しており、特に防災訓練には反対しずらくなった気がしないでもない。

 昨年の立川市防災訓練は、あれだけの震災の後にも関わらず、まるで「防災ショー」のような有り様だった。訓練の開始と共に、隣接する立川基地からヘリコプターが飛び回るパフォーマンスがあり、消防のハイパーレスキュー隊が高度な救助技術を披露し、それを住民はただ見ているだけの「訓練」だった。テント村が抗議・批判したところ、市は今年は例年通りの訓練に戻すことにしたようだ。

 そもそも立川基地の自衛隊は、首都直下地震が起こったときに立川市民を助けるわけではない。立川基地は首都機能を維持するために全国から参集する部隊が、都内に展開するための「進出拠点」になる基地だからである。自衛隊は軍隊であり、その本来の任務は戦争をし人を殺し、市民ではなく権力者を守ることである。さも、基地があると安心できるかのような宣伝に防災訓練を利用することを、私たちは許さない。

 また、地震では訓練よりも建物の耐震化の方がよほど重要であり、津波では訓練通りに集まって点呼をするよりも、1刻もはやく1人ひとりが自由に逃げることが重要である。昨年の震災の被災者870人へのアンケートで、津波から身を守るために必要なこととして「避難訓練や研修会の促進」と答えた人はわずか2%しかいなかった。災害に向き合うには、防災訓練よりも大事なことがたくさんあるのだ。

 災害を利用して軍隊が街にのさばるのを許すわけにいかない。防災訓練への自衛隊の参加にも反対の声をあげよう。



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