テント村通信アーカイブ



ミサイル狂想曲に踊らされないぞ!(2012年5月号掲載)




 4月13日朝、北朝鮮の人工衛星を積んだとされるロケットが発射された。ロケットは、発射されて1時間ほどで爆発し、黄海沖に墜落したとされている。この発射前後の数週間、言わば「ミサイル」騒動とも言うべき状況が生まれた。


 日本政府は、事実上のミサイル発射だとし、警戒態勢を敷くと同時に、防衛省は自衛隊に対し「破壊措置命令」を出した。ミサイル防衛システム(MD)の地上配備型 PAC3を宮古島、石垣島や首都圏など7カ所に配備したうえ、洋上にイージス艦3隻を展開させた。


 マスコミも危機意識を煽り、あたかも日本を狙って発射されるかのような報道や、北朝鮮の技術力が低いから誤って飛んでくるかのような報道が相次いだ。


MD強化、自衛隊の南西シフトに利用する政府


 民衆を飢えさせながら先軍政治を続ける北朝鮮の体制は、批判されるべきだ。しかし、それを口実に、MDを強化したり、先島諸島への自衛隊配備の地ならしに利用する日本政府の対応も批判されるべきだ。


 そもそもMDでミサイルはおろか、破片の迎撃など、技術的に不可能だ。


 あまり知られていないが、ロケットの発射事故や墜落・落下は、世界で相次いでいる。近年だけでも米国、日本、中国などが事故を起こしているという。それを北朝鮮に対してのみわざわざ迎撃兵器を大々的に配備して対抗するのは実にこっけいである。


 自民党は、政府の発射後の対応の遅れを国会で追及しているが、こういった批判を受けて、すでに渡辺・防衛副大臣などは日本が独自の早期警戒衛星を「持つべきだ」などと発言している。


 ミサイル騒動を自らつくりだし、それを口実に自衛隊強化に利用する政府を、私たちは許してはならない。


オスプレイはヨコタに来るな!


 一方、3月7日前後、MV22オスプレイを、普天間に配備する前に、横田など本土の基地に先行して一時配備するという日米合意について、各紙が報じた。周辺自治体のすばやい中止要請などもあり、一部報道では米軍の運用上の都合で断念されたというニュースが流れたものの、その後の動きが報道されなくなった。4月11日には、モロッコで海兵隊員2人が死亡する事故も起きた。


 一時配備の件は、実態としては世論の反応を見ている段階で、事態はまだ流動的であろう。3月26日には、横田に移転した自衛隊の航空総隊司令部がついに運用を開始した。司令部地下には「共同統合運用調整所」が設置され、日米でリアルタイムで情報を共有するという。航空総隊司令官は弾道ミサイル等防衛の統合任務部隊指揮官をも兼ねていて、今回の北朝鮮の「ミサイル」対応の指揮も、ここで行われた。


 このような動きに対し、5月20日には、テント村も加わっている横田行動実行委員会主催で東京新聞の半田滋氏を招いた学習会があり、6月末には恒例のデモが予定されている。多くの方が参加し、「普天間にも横田にもオスプレイは来るな!基地はどこにもいらない!」という声を、ともに上げていってほしい。


反基地の思いをカラダで表そう!


 また、5月13日には、立川反基地駅伝大会を行う。この2年ばかりは天候に恵まれず、雨の中での開催や交流会のみの実施になった。今年こそは、快晴の中、反基地の声をあげながら元気に基地の周囲を疾走したいものだ。やっとほんとうに春らしくなってきた。3日には憲法集会もあり、盛りだくさんの5月だが、ともにがんばろう!



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