11月3日、砂川の旧基地拡張予定地のひろばで、今年も秋まつりが行なわれた。主催は実行委。雨をまぬがれる連続記録は21年目を更新し、プログラムの印刷が間に合わないハプニングもありつつ、どうにかまつりはスタートした。
今年の秋まつりは、低年齢層の幼い子どもたちの姿が目立った。ジャンケンに勝つともう1個もらえる綿あめ売り場や、餅つきの臼の前には、今か今かと順番を待つ子どもたちが長蛇の列をなした。
テント村では東北の被災地の写真と、旧基地拡張予定地一帯の放射線量マップを展示した。若い母親や近所の人たちが、少し心配そうに展示に見入っている。秋まつりのひろばの線量は0・1マイクロシーベルト前後。例年、子どもの工作コーナーを担当してもらっている立川市職労も、今回は小枝を使った工作は諦めて、プラスチック制のプラトンボづくりに切り替えたそうだ。こどもがケガをしないようにと、ガラスの欠片まで拾い歩いたこのひろばで、まさか放射能の心配をする日が来るとは、思っていなかった。悔しさと同時に、自分の認識の甘さを思った。
今年のステージは新顔の出演者も多く、下は20代のベリーダンサーから上は70代の草笛演奏者まで、幅広く楽しむことができた。反原発デモでお馴染みのクラウンアーミーの面々が、色とりどりの衣装で彩りを添えてくれたのも良かった。大工のKさんとペンキ屋のKさんが作ってくれた、新しいベンチとキウイ棚もピカピカ光っている。
秋まつり実行委が抱えている最大の課題は、会議に参加してくれるスタッフが足りていないことだ。秋まつりに参加して楽しかった人は、来年はぜひ、スタッフ会議にも顔を出して欲しい。
11月11日、経済産業省を包囲する人間の鎖行動が行なわれた。主催は「11・11・12再稼働反対!全国アクション実」。9月の包囲行動に続いての「人間の鎖」には、雨の中にも関わらず1300人が参加し、人の手と毛糸で経産省を包囲。行動は大成功だったようだ。
しかし開設から2ヵ月を経過した経済産業省前の座り込みテント(通称・テントひろば)ではその後、緊迫した状態が続いている。人間の鎖行動の翌日の12日、経産省職員9人、制服警官30人、私服警官20人が、座り込みテントをチェーンで囲もうとする騒ぎがあった。また、その日の夜には警察50人と右翼30人が襲来し、テント内に押し入って2時間ほどこう着状態が続いたという。経産省・警察・右翼の結託を許さず、テントひろばの撤去策動を跳ね返す必要がある。
とはいえ、経産省テントから伝わってくる声は、厳しい話ばかりでもない。官庁街の職員で、仕事帰りにテントを来訪する人が増えているのだそうだ。12月1日からは「原発いらない福島の女たち」のメンバーのよびかけで、女性たちの座り込み行動も予定されている。ぜひ経産省前テントにかけつけよう!
11月20日、共謀罪の新設と新捜査手法に反対するシンポジウムが、日本橋公会堂で開かれた。主催は共謀罪新設反対国際共同署名、参加は90名。講師は寺中誠さん(東京経済大学)。寺中さんは、共謀罪新設は対テロ名目での国際的治安対策の産物であることに触れた上で、たとえ共謀罪を作らなくても暴力団排除条例の拡大運用などで、共謀罪と同様の治安弾圧を行える状況が作られつつあると指摘した。
ところで、10月に都が施行した暴力団排除条例は、憲法違反にあたる可能性が極めて高いと指摘されている代物である。内容の一例をあげると、暴力団やその関係者と認定された者は不動産契約や商業契約が禁止され、業者側には警察による立ち入り捜査などへの協力義務するが発生するという。これでは違法行為を犯していない人でも、暴力団員やその「関係者」であると指定されただけで、基本的人権が著しく侵されることになってしまう。「関係者」の定義も曖昧で恣意的に運用されたら、とんでもない人権侵害を警察が自在に行えるようになるだろう。
今後も、対テロや暴力団排除などを名目とした治安弾圧体制づくりに、反対しよう!