テント村通信アーカイブ



この秋の東京都総合防災訓練に反対しよう!(2011年8月号掲載)



 東日本大震災から6ヶ月が経とうとしている。ピーク時10万6千人体制だった自衛隊の震災動員も、いまは「減勢態勢」に入り、2万3千人程度となっている(7月31日現在)。7月1日には三自衛隊の統合任務部隊の編成も解除された。また、各県知事からの災害派遣要請も、宮城、福島以外の知事からは撤収要請が出された。現地での部隊の活動も、入浴支援、行方不明者の捜索、除染にしぼられてきている。

 「史上最大の作戦」とも言われた今回の自衛隊の活動。そろそろ全体像について、ある程度は、評価、検証が可能な時期に入りつつあるのかもしれない。


今こそ反安保・反自衛隊の声を!


   7月10日、「今こそ反安保・反自衛隊の声を!7・10デモ&集会」が同集会実行委の主催で行われた。午後3時、東池袋中央公園を出発したデモ、5時半から豊島区民センターでの集会があった。デモでは解散地点で、その前に行われていた反天連の集会から付いて来た右翼の街宣車が待ち受けていて、「お前らは自衛隊が感謝されてるのを知らないのか」「誰が被災地の人を助けてるのか知ってんのか」などと怒鳴っていた。

 集会では「トモダチ作戦とは何であったか」と題する木元茂夫さん(すべての基地にNOを!ファイト神奈川)、「いま反自衛隊とは何か」と題する当村の加藤克子による講演のほか、バスストップから基地ストップの会や沖縄緊急アクションなどの連帯発言があった。

 木元さんは、様々な資料を駆使し、米軍のトモダチ作戦は核汚染下での軍事行動を演習するものだったと結論付けていた。加藤は、被災地の福島に行った経験や、反原発と反戦運動との連携、立川での日常などについて語った。質疑では、自衛隊救助組織転換論の評価をめぐる発言や、新しい大規模救助組織を作るべきなどといった意見も出た。

 時間の制約もあり、結論は出なかったものの、関心は高いが非常に難しい論点について議論できたという意味では有意義であった。ほとんど同じパネラーで続編が、今度は横浜の地で8月27日に予定されているそうで、今後の議論に注目していきたい。


小平での東京都総合防災訓練、反対!


 さて、8月といえば、例年であれば東京都総合防災訓練への反対闘争を呼びかける時期であるが、今年は東日本大震災の影響で、少し事情が変わってきている。

 東京都総合防災訓練は、昨年12月の発表では、今月末に小平市で開催する予定だった。しかし、6月半ば、震災の教訓を反映させる、自衛隊など各機関が災害対応中であることを理由に、10月29日に訓練実施日を延期すると発表した。しかも、当初の小平市だけではなく、西東京市、武蔵野市、小金井市も加わり、1都4市合同で実施することになった。主な訓練の会場として予定されている都立小金井公園が、4市にまたがっていることが、その大きな理由かと思われるが、訓練がどこまで他市に拡大されるのか注視する必要があろう。

 また、例年米軍が参加する臨海部では、初めて津波・高潮対策訓練が行われることにもなった。これまでは帰宅困難者や患者の輸送訓練をしていた米軍が、これにどう絡んでいくのかも、注目すべき点である。

 さらに、訓練に先立つ9月1日の防災の日には、警視庁が都内の幹線道路など約100ヶ所を10分程度、一斉に通行止めにする大規模な交通規制を行う予定でいる。都の防災計画では、震度六弱以上の場合、緊急車両通行のため、23区の外周部を結ぶ環状七号の内側の地域は全面通行禁止とされることになっているためだ。警視庁は「身をもって知ってほしい」と言っており、震災を利用した、有事における権力に従順な市民づくりの一環であろう。

 これに対しテント村では、小平や、これまで都の訓練に反対してきた練馬や北部共闘、南部労組などの仲間とともに「米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会」を結成した。8月30日には前段集会が小金井で予定されている。一方で、9月11日には、立川市の訓練も市役所周辺を会場にして予定されている。両行動への、多くの仲間の参加を呼びかけたい。台風や大雨、節電下での猛暑など、いろいろな意味で例年より苛酷な夏だが、ともに闘おう!



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