テント村通信アーカイブ



オバマに平和賞の資格なし―天皇即位20年式典反対―
              (09年11月号掲載)




雨でお客が少なかった立川防災航空祭

 10月25日、立川基地の防災航空祭が行われた。当日は小雨が降り来場者も例年より少なかったが、テント村では抗議の情宣活動と申入れを行った。ゲート前は我々の抗議行動を警戒してか例年ものものしい雰囲気。迷彩服の警備自衛官が10名ほど。立川署も私服・制服を繰り出していた。

 ところが今年はほとんど規制はなく、申入れもあっさり受け取らせることができた。駐屯地祭の来場者へのビラまきも、警察などに妨害されることはほとんどなかった。「政権交代の影響?」という声も出たが、警備担当者の方針次第というのが実態だろう。

 ビラをまきながら、大衆的に立川基地反対をアピールしていくことの重要性を改めて考えた。立川では市政レベルで基地問題がほとんど争点にならなくなって久しい。国政レベルでも二大政党制のなかで、基地や自衛隊の存在そのものに異議を唱える議論は消滅した。少数であっても、反軍・反基地の主張をする市民の活動は重要だと再認識した。


戦時大統領に平和賞の資格なし


 米オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した。「核なき世界」を訴えた一連の演説に対する表彰に、歓迎するむきもあるようだ。だが、米国は現在アフガニスタンで戦争を継続中である。オバマは戦時大統領なのだ。戦時大統領に「平和賞」はふさわしくない。

 オバマを擁護する人の中には、国内問題で米国内の支持率が低下している中、彼の反核政策を後押しするための表彰だ、という意見がある。確かに、米国内の「どうしようもない」戦争推進世論を前にしては、オバマがマシに見え、後押しもしたくなる。

 だが、一方で、それはしょせん米国内の理屈でしかない。彼は公約に掲げていた、グアンタナモ軍刑務所の閉鎖でも具体的な成果を出せていない。今現在も、「テロ容疑者」とされた人々が監禁され、電気ショックや水責めなどの拷問に苦しめられている可能性がある。しかもその多くが、身に覚えのない行為の自白を強要されての拷問である。精神的に錯乱し、自殺したり衰弱死したりした拘禁者も多い。

 その現実を前に、「オバマは平和主義者だが、米国内の世論がそれを許さない」などという理屈が通用するだろうか?奪われた人々、苦しめられ、殺された人々の前では、オバマのノーベル平和賞は輝きを失うだけではないか?


11・11 天皇即位20年式典反対!


 そのオバマは、11月12日に来日することが決定している。同日、天皇即位20年式典が行なわれる。どういう絡みがあるのかないのか分からないが、都内は相当な警備が敷かれることになるだろう。

 天皇即位20年式典は、昼から夜にかけての二部構成。一部は、伝統芸能の披露やパレードを中心にした内容。二部は、EXILEなどの芸能人も動員しての大衆的な式典だ。10年前の天皇即位10年式典の際には、X-JAPANのYOSHIKIが天皇賛美曲を披露したが、今回のEXILEもわざわざ作曲した奉祝曲を披露するという。流行のミュージシャン頼みの天皇式典というのも失笑ものだが、伝統芸能とPOPSを共存させて披露する場を作り出すのも天皇制の強みと言えなくもない。

 式典当日の「祝日化」が当初は計画されていたが、衆議院選挙の大波の中でそれは取りやめになったようだ。それでも、日の丸掲揚などの祝意の強制は全国に広まっていくことが予想される。10年前の即位10年式典の際は、その直前に成立した国旗国歌法の影響もあり、全国の学校などに日の丸が掲揚された。即位20年式典への注目はそれほど高いとも言えないが、横並びの祝意の表明こそが天皇制の本質だ。

 さらにオバマ来日と絡んできた場合、天皇の政治利用は決定的となる。それぞれの国内事情も抱えた「平和天皇」と「平和大統領」が手を結ぶとすれば、過去の侵略と現在の侵略を隠蔽した欺瞞の「平和式典」が演出される。私たちの立ち位置が問われてくる事態であると言えるだろう。

 11・12は反対集会とデモに参加しよう!



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