テント村通信アーカイブ



ミサイル競争に反対しよう!(09年4月号掲載)




 立川反戦ビラ弾圧救援会の解散集会が三月七日に三労会館で行われた。集会には全国から百三十名を越える人びとが参加し、その後の交流会も大いに盛り上がった。反弾圧闘争としては広範な戦線を構築したこの闘いは、その後の一連のビラ弾圧をめぐる闘いでも重要な役割を果たしたと言える。だが、表現の自由規制への強化の動きはますます強い。北朝鮮の人工衛星打ち上げを政治利用しての排外主義強化と軍事拡大の動きも出てきている。こうした動きに正面から立ち向かう必要がある。


反戦ビラ弾圧救援会が解散


 解散集会会場のキャパシティが八十名から九十名だったのに百三十名以上もの人びとが参加、廊下にあふれ出たり立ち見が出るという有様になってしまった。静岡県や岩手、仙台など遠隔地から駆けつけてくれた人びともいた。

 集会では大沢代表のあいさつに続いて、亜細亜大学準教授の石埼学さんの「司法の、法からの、逸脱?」という講演が行われた。最高裁の判決は「『私生活の平穏が』どう侵害されたかを説明しなかったが、集合住宅の共用部にビラまきが目的であれ、他人が立ち入ることや、無駄なビラが多く投函されることをうとましく思う風潮には共振しうる言葉」だという。そして最高裁は法から逸脱して、この「ノルム(規範)」にくみして判決を書いたと批判した。

 さらにアムネスティインターナショナルの寺中誠さんからは、国連自由権規約委員会へ提出したオルタナティブレポートにまつわる裏話なども披露してくれた。

 集会後半は、板橋高校事件の藤田さん、葛飾マンションビラ弾圧事件の荒川さん、岩手の穴田さんのアピールを頂き、国公法事件の堀越さんのアピール読み上げも行われた。救援会のHPを作成してくれた館野さんの唄をはさみ、弁護団紹介、各被告のあいさつで集会は終わった。

 救援会は解散したが、各事件の裁判はまだ続き、ビラまきなどを押さえ込もうという不当な条例設置や弾圧の動きは今も続いている。以降はテント村としてこうした動きに対決する運動を行っていこうと思う。


宇宙の軍事利用と平和利用


 日本政府は、四月上旬の朝鮮民主主義人民共和国による衛星打ち上げを、国連決議に違反するとして、イージス艦やPAC3を配置しての迎撃態勢に踏み切った。「打ち上げ失敗などあくまで万が一の事態に対してのもので、国民は冷静に」と言いつつ、やっていることは完全に危機意識へのあおりであり、ミサイル防衛正当化への政治利用行為だ。

 国連安保理決議一七一八号は、北朝鮮の「大量破壊兵器と弾道ミサイル計画の完全なる放棄」を求めたもので、人工衛星などの平和利用は枠外になる。だが、実際の宇宙開発では気象衛星などの打ち上げに使われるロケットがそのまま弾道ミサイルにもなり、宇宙開発の平和利用と軍事利用は、すべての国で表裏一体だ。北朝鮮も同様である。この打ち上げが東北アジアの緊張を増加させる側面はあり、北朝鮮に自制を求めたい。だいたい北朝鮮の自国経済はこんなものを作っていられる状況ではないはずだ。

 MD(ミサイル防衛)計画は、冷戦時代に続く新たなミサイル開発競争への幕開けを行った。こんなことに何兆円もつぎ込むより、東北アジアでの平和を維持するためには、外交努力でロケット発射を中止させ、あらゆる国の核と弾道ミサイル廃棄を同時に目指す方向を打ち出すべきだ。ソマリア派兵に続く麻生内閣の軍事偏重政策に反対する。麻生は即刻退陣せよ!



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