テント村通信アーカイブ



ソマリア派兵反対!/
3月7日反戦ビラ弾圧救援会 最後の集会へ
−5年間のご支援どうもありがとう−(09年3月号掲載)



 日本政府が、3月中の国会提出に向けて検討している海賊対策新法案の概要が明らかになってきた。武器使用基準については、警察官職務執行法(警職法)を準用して、海上保安庁や海上自衛隊の艦船が先に直接攻撃を受けていなくても、相手の船体を撃つことが出来る「危害射撃」を可能にしている。

これまでの海外派兵をさらに乗り越えて、ますます海外での武力行使に道を切り開くソマリア派兵を許してはならない。


ソマリア派兵は何が問題か


 まず政府は三月中旬に現在の自衛隊法に基づいての「海上警備行動」として護衛艦を派兵する準備を進めている。だが、その武器使用基準は警職法七条の正当防衛と緊急避難に頼っている。この基準では、接近してくる「海賊船」に先に武器を使用することが難しいとされ、新法では停船させるためだけに、先に撃つこともできるようにしているのだ。

 しかし、自衛隊の活動はもともと日本周辺に限られていた。もちろん、存在そのものが憲法違反なのだが、その問題は一旦置いて、自衛隊法だけを見ても大きくそれと矛盾する活動なのである。

 自衛隊法 第三条(自衛隊の任務)では「自衛隊は、我が国の平和と独立を守り…(中略)…公共の秩序の維持に当たるものとする。
2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。」

 ソマリア沖が日本周辺でないことは明白だが、危害射撃が右に禁じられる武力行使以外の何物でもないことも明らかだ。「国際貢献」の名の下に、自衛隊の活動がさらに拡大しようとしているのだ。さらに海上保安官を同乗させるのだが、これは自衛隊には逮捕や取り調べを行う権限がないからだ。これも初めてのケースである。

 ソマリア沖ではインド海軍、イギリス海軍が「海賊船」と交戦、殺傷してしまった事件が起きている。日本の艦船も実際の戦闘を行う可能性が高い。
 そもそもソマリアが今のような無政府状態に陥ったのは長い内戦が原因である。さらにその無政府状態を良いことに外国船による海上不法投棄も相次ぎ、これらのことが「海賊」の発生要因になっている。漁民だったり沿岸警備隊だった彼らにも「問題のある船から罰金を取っているのだ」などの言い分はある。

 また今回の海自派兵は単に「海賊退治」ではなく、米国による対テロ戦争戦略への協力となることを見なければならない。現在海自はインド洋でも米軍艦船などに給油活動を行っているが、その艦船の参加する作戦「不朽の自由作戦」はインド洋からソマリア沖までをも作戦範囲内に置いている。つまり、イスラム原理主義勢力を標的にした米国の軍事作戦に、後方給油だけではなく武力行使を目的に護衛艦が出かけていくことになるのだ。残念ながら国会では、こうした点がほとんど問題にされず民主党などでも政府以上に派兵に熱心な議員がいる始末だ。ソマリア派兵反対の声を大きく上げていく必要がある。


3・7救援会解散集会へ


 昨年末からのガザ攻撃に続いて、ソマリア派兵。きな臭い話ばかりで新たな年も進行している。ガザも「停戦」とはいうものの、散発的な戦闘は続き、イスラエルによる封鎖で救援物資も満足に届かない状態が続いている。イスラエルによるガザ封鎖に抗議し、パレスチナに平和をもたらすためあらゆる行動を続けよう。

 なお、前号でお知らせしたように、立川反戦ビラ弾圧救援会は3月7日に三労会館で解散集会を開く。最後の集会なので支援者の方はぜひともご参加を。3月14日には立川アイム(女性センター)で「アメリカばんざい」の上映会が出演者の講演付きで開かれる。前売りチケットなどはお問い合わせを。いろいろと忙しい3月だが、派兵反対の行動を頑張って作り出していこう。



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