テント村通信

このコーナーでは、毎月発行している「テント村通信」から1面の記事を掲載します。




木更津基地への自衛隊オスプレイ配備糾弾!
−立川飛来を阻止しよう−(2020年8月号)




 ついに自衛隊のオスプレイの配備が始まった。7月10日に陸上自衛隊木更津基地に一機目が、16日には二機目が配備された。しかも16日の二機目は、沖縄でたびたび協定破りが問題になっている「ヘリモード」に切り替えての登場だったという。

 自衛隊第1ヘリコプター団のツイッターは、この二機の到着映像を誇らしげに掲載した。

 木更津市と国は「五年間の暫定配備」と合意しているが、約束が守られる保証はどこにもない。木更津基地には沖縄配備の米軍機も対象にした「オスプレイ整備施設」の建設が相次いでいるからだ。

 このままいくと木更津は、数十機の米軍オスプレイ、最終的に17機に達する予定の自衛隊オスプレイの一大整備・運用拠点になる。

 自衛隊オスプレイは本来、佐賀空港に配備され、佐世保の部隊と南西諸島防衛にあたる予定だった。しかし地元の反対で計画は頓挫。さらにそもそも島嶼防衛などの狭い戦術空間での兵器としての有効性も疑われている。端的にいって、「買ってから使う理由を考える」という状態なのだ。

そうなると、木更津配備が恒久化する可能性はいよいよ高い。首都圏近郊のヘリ部隊と合わせた運用が永続化すると考えるのが自然である。


首都圏の空はオスプレイまみれに!


 自衛隊オスプレイの導入を進めた防衛大臣である森本敏は、7月11日の東京新聞で以下のように述べている。「(オスプレイが)大都市部の上空を飛び回るのは基本的に望ましくない」「効率的に運用ができない木更津で運用を続けることは無理」―導入を決めた防衛大臣でさえ、木更津配備には困惑を隠せない。

 木更津がオスプレイの運用センターとなれば、首都圏全体がその飛行直下に入る。その危機感もあるのだろう、地元住民の会が7月10日に防衛省に提出した配備反対署名は、実に24万筆にも達した!(さらに5万筆の追加あり)。

 立川基地は、陸自オスプレイが所属する第1ヘリコプター団の所属機が日常的に飛来している。自衛隊は8月から本格訓練を開始するというが、立川基地への飛来も目前に迫っているという印象を受ける。ここは正念場である。


立川市役所に三団体で申入れ


 7月3日には、テント村と「砂川平和ひろば」、「オスプレイを飛ばすな!立川市民の会」の三団体で合同して、立川市役所へ申入れを行った。

 対応した市企画政策課(基地対策を所管)の浅見課長は、「自分も砂川四番で育った。みなさんの危機感はよく分かる」とあいさつした。

 申入れでは、「オスプレイの木更津配備にあわせて、立川市は周辺市と協力して、立川基地に飛来反対を要請してほしい」と伝えた。市の対応は、「気持ちは分かるが自衛隊からオスプレイ立川飛来の情報がない中で、こちらから要請するのはどうにも…」と歯切れが悪い。

 しかし、市民感情とは異なり、自衛隊はオスプレイを「特別な機体」だとは認識していない。6月に立川基地に申し入れた時、対応した将校ははっきりと「私たちにとってはオスプレイもただの一機種ですから」と言った。これは、まったく正直な発言だと思う。「立川のような狭小・住宅密集地の基地でのオスプレイ訓練などありえない」とタカをくくるわけにはいかないのだ。(実際、今から思えばC1輸送機の立川基地での訓練は、オスプレイよりはるかにリスクが高いものだったと思う)

 コロナ禍にも関わらず、今年も立川基地は10月24日に「防災航空祭」を予定している。ここでの展示のための飛来ということも十分考えられる。

立川市など基地周辺自治体は、毎年連名でこの基地祭での編隊飛行の停止を要請しているが、今年はこれに「オスプレイの展示は絶対にしないことを追加してほしい」、と頼んだ。市の反応は、「非公式の会話も含めて、基地に伝えるチャンスをつくりたい」というものだった。

最近事故が相次いでいるヘリの緊急着陸訓練や、ライフルを携行しての行軍訓練の実施は、立川基地の性格を一変させるものだ。一口でいって「『防災基地』という衣を脱ぎ捨てた」立川基地の姿がそこにはみえる。私達もまた、基地への認識を変えていく必要性を強く感じる。





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