沖縄県東村高江での
米軍ヘリパッド工事強行と、
2月20日アメリカ大使館前での
弾圧に対する抗議声明



 私たちは、沖縄県東村高江での米軍ヘリパッド工事の強行と、今年2月20日のアメリカ大使館前での抗議行動に対する弾圧に、強く抗議する。

 防衛省沖縄防衛局は沖縄県東村高江にある米軍北部訓練場で、昨年12月末からヘリパッド工事を再開し、今年2月に入ってからはほぼ毎日、工事を強行している。人口約160人の小さな集落で、沖縄防衛局は住民からの再三再四の抗議・要請にも耳を貸さず、高江の全人口に匹敵する大人数の職員と作業員を動員し、作業員をけしかけて高江集落を混乱状況に陥れているのである。この米軍ヘリパッド建設については、生活および自然環境への影響が甚大となるため住民による反対が根強く、今まさに国民的議論が求められている。こうした案件において、このように危険かつ強引な態度で工事を強行することは、民主主義国家として絶対に許されることではない。

 こうした中、2月20日に東京のアメリカ大使館前で、抗議行動に対する弾圧事件が発生した。この日は「沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会」が主催するアメリカ大使館に向けたデモが予定されていたが、東京都公安委員会は直前になってデモの出発地点・コース・解散地点の全てを勝手に変更するという前代未問の暴挙を行なっており、主催者はデモのボイコットを決断せざるを得なかった。そして予定通りに新橋駅前でのマイクアピールと情宣を行なったのち、主催者がデモを中止してアメリカ大使館への申し入れ行動に変更し、全員で大使館近くの広場に移動したところ、2人の仲間が暴力的に警察に連れ去られたのである。

 この日の赤坂署の対応は、最初から異様だった。警察の指揮官車が新橋駅前での情宣の段階から「無届け集会である」「解散せよ」と大音量での威圧をくり返した。私たちは穏当にマイクでアピールをし、音楽を奏で、通行人にビラを配っていたにすぎないにも関わらずだ。赤坂署はさらに、アメリカ大使館の方向へ整然と歩行する私たちに対しても逮捕の「警告」を連発し、アメリカ大使館近くの広場では、今までの申し入れ行動のときの3〜4倍にも達する機動隊員が私たちの行く手を阻んでいたのである。これに対し、通行を妨げる法的根拠を示すよう私たちが求めても警察は返事もせず、「アメリカ大使館は申し入れを受け取らないと言っている」と勝手に大使館側の意見を代弁する発言をくり返した。デモの主催者は事前に、大使館側にアポイントをとっていたにも関わらずである。2人の仲間のうちの1人は逮捕された際、逮捕の理由も告げられずに警官から暴行を受けている。専制国家の秘密警察かと思うような、なりふりかまわぬ警察の行いを、私たちは絶対に許さない。

 また、私たちは申し入れ書を受け取らなかったアメリカ大使館も糾弾する。代表3名がアメリカ大使館の正門前まで行くと、アポイントを受けた政治部の担当者ではなく保安部の警備員が出てきて、「上から受け取るなといわれている」と発言して受け取りを拒否したのである。赤坂署とアメリカ大使館は結託して、責任主体の隠蔽を図っている。このような態度は市民の請願権を無視するばかりか、行政機関としての責任の所在を明らかにしないまま私たちの表現を暴力で押さえ込もうとするもので、決して許すことができない。

 赤坂警察署はさらに、逮捕された2人を激励をするために赤坂署に向かった私たちを待ち伏せし、面会と差し入れを不当に妨害してきた。普通の歩行者として歩いていた私たちを近くの公園に約2時間にわたって封じ込めたうえ、弁護士による接見も虚偽の取調べを理由に妨害し、さらに拘束されている2人への差し入れも受け付けないという言語道断な行為を行なったのである。弁護士による接見と差し入れは、「被疑者」にさせられた者にとって、何よりも優先されなければならない権利である。赤坂署による不法で非人道的な対応を、私たちは強く糾弾する。

 今回の弾圧は、単にアメリカ大使館への申し入れ行動に対する弾圧ではない。戦争と軍隊に異をとなえ、沖縄への新しい軍事施設の建設に反対する者すべてに対する弾圧である。そしてデモや集会はもちろんのこと、音楽・パフォーマンス・映像・インターネットなどできる限りの表現手段を用いて高江のヘリパッド建設問題を訴えてきた、その表現行為そのものに対する弾圧である。

 権力は、人と人が集まって手をつなぐことを恐れている。私たちは繋いだ手を、絶対に離さない。私たちはこの弾圧を絶対に許さない。

 警察は、2人を今すぐ釈放し謝罪しろ!
 アメリカ合衆国は在日米軍基地をすべて撤退しろ!
 防衛省は沖縄高江へのヘリパッド建設を今すぐ中止しろ!
 全ての軍事基地をはらっぱにしよう!森にしよう!畑にしよう!

2011年2月26日 立川自衛隊監視テント村



過去に出した声明


尖閣諸島問題を利用した国家主義、排外主義に反対する声明(2010年9月30日)

世田谷国公法事件 控訴審不当判決を批判する声明(2010年5月20日)

国公法弾圧・堀越事件の高裁逆転無罪判決を評価し、
 検察の上告断念を求める声明
(2010年4月1日)

葛飾最高裁判決を批判する声明文(09年12月6日)